みなさんは、朝はシャキッと起きれているでしょうか?
ボーっとした感じで起きて、昼過ぎにはもうグッタリしていないでしょうか?
もしかしたら、8時間以上ちゃんと寝たのに眠気が取れないという人もいると思います。
それは質の良い睡眠をとれていないのかもしれません。
質の良い睡眠がとれていないと、健康にも悪影響があり、特に免疫力が下がり感染症にかかりやすくなってしまいます。
この記事では、どうしたら質の良い睡眠をとることができるのかわからない方に、食事、生活習慣などの面から質の良い睡眠をとるポイントをご紹介します。
睡眠不足、睡眠の質の低下が招く悪影響
私たちは生活の中で長時間働いて、多くのストレスを受けています。
不規則な生活やストレスによって精神的、肉体的に疲労が溜まっていくと、体のリズムが乱れ、心身に多くの悪影響が現れます。
疲労を回復させるのに必要になるのが「成長ホルモン」です。
この成長ホルモンは、成長期の子どもの成長や、傷ついた細胞の修復、そして疲労回復に欠かせない重要な役割を持っているとされており、睡眠時に分泌されるホルモンです。
とにかく寝ていれば成長ホルモンが分泌されるのですが、分泌の量が「睡眠の質」によって変わってくるので質の良い睡眠が大切になってくるのです。
睡眠の質が悪いとどうなる?
- イライラしやすくなり、不安感を招きやすい
- 自律神経やホルモンに異常が表れる
- 高血圧や肥満、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす恐れがある
- 免疫力が低下し、ケガや病気にかかるリスクが高まる
- 記憶力、思考力、集中力が低下する
成長ホルモンを分泌させる質の良い睡眠とは
成長ホルモンを多く分泌させるには、寝入りが重要です。
寝入りから1時間がもっとも深い眠り(ノンレム睡眠)に入ります。そして同時に、ノンレム睡眠の深さに比例する様に成長ホルモンが分泌されていきます。
深い眠りに入れば入るほど、分泌量が増えます。
朝が近づき、ノンレム睡眠の深さが浅くなっていくにつれ、成長ホルモンの分泌量が減少します。
睡眠時間はしっかりとっているのに、寝た気がしないという場合は、睡眠時間は長くても眠りの「深さ」が足りないために、熟睡感得られていないのかもしれません。
つまり、よい睡眠には「睡眠時間の長さ」(量)と「深さ」(質)のバランスが重要なのです。
まずは寝つきをよくすると良いでしょう。
よい寝つきの目安は、働き盛りであれば20分以内に眠れること。シニアなら30分以内が目安です。
質の良い睡眠をとるとどんな効果があるの?
- 朝は気持ちよくすっきりと目覚める
- 目覚めてからスムーズに行動できる
- 日中、過度の疲労感がなく満足度が得られる
- 生活習慣病の予防につながる
- うつ病や不安によるストレスなど、こころの不健康を予防
睡眠の質を高める方法
ここからは睡眠の質を高める具体的な方法を紹介します。
食生活
睡眠の質を高めるために必要な栄養素は、 ビタミンB1・B12・ビタミンE・鉄分・マグネシウム・カリウム・カルシウム・葉酸などですが、他にも大事な栄養素があります。
それがメラトニンです。
メラトニンとは
メラトニンは眠りにつくよう体内で産生されるホルモンです。
メラトニンは夜になると徐々に分泌が増え、夜中に最大になります。
そして、メラトニンがたくさん分泌されるためには、メラトニンの材料であるセロトニンというホルモンが日中にしっかりと分泌される必要があります。
メラトニンは暗い環境で多く分泌されます。目から光が入ると、メラトニン分泌を減らしてしまいます。したがって、夜に明るい光を浴びることや、明るい場所で眠ることは、メラトニン分泌を減らし、質の良い睡眠を妨害してしまいます。
太陽の光を浴びると、脳内でのセロトニンの合成が活発になります。
睡眠に欠かせないメラトニンはセロトニンからつくられるので、昼間にセロトニン、夜間にメラトニンをつくりだすために朝日を浴びることは大事になります。
メラトニンの材料はセロトニンですが、セロトニンをつくるのはトリプトファンというアミノ酸です。バランスの取れた食生活で、トリプトファンを上手に摂取することが、セロトニンの分泌にくわえて、メラトニンの分泌を高めます。
次に具体的にどんな食べ物が良いか、いくつか紹介します。
睡眠の質を高める食べ物
サツマイモ
サツマイモにはリラックス効果と睡眠を促進するカルシウム、マグネシウム、カリウムが含まれています。
アーモンド
アーモンドにはマグネシウムとトリプトファンが含まれており、筋肉や神経系をリラックスさせるのに役立ちます。
クルミ
クルミにもトリプトファンが含まれており、天然のメラトニン供給源といえます。
バナナ
バナナにはビタミンB6、カリウム、マグネシウムが含まれています。ビタミンB6はトリプトファンをセロトニンに変換するのに役立ち、メラトニンを作り出すのに必要なため、深い眠りのためのスーパーフードです。
遅く帰宅した時とかは、簡単に食べれるのでストックしておくといいですね。
味噌汁
味噌汁には天然の睡眠誘発ホルモンであるメラトニンの生成の促進に役立つアミノ酸が含まれています。洋風のスープもいいですが、味噌汁もおすすめです。
脂の乗った魚
サーモン、ヒラメ、マグロといった魚は、健康的な脂肪酸の素晴らしい供給源であるだけでなく、セロトニンとメラトニンの生成に役立つビタミンB6も含んでいます。そのため脂の乗った魚は良い睡眠の確保にも役立ちます。
オートミール
オートミールは、消費されるとインスリンレベルの急上昇を引き起こし、それが下降すると疲労感をもたらします。オートミールにはまたメラトニンも含まれているので、スムーズな入眠に役立ちます。
カモミールティー
眠りにつくためのコーヒーやアルコールよりは、カモミールティーをおすすめします。
やってはいけない食生活・避けたい食べ物
寝る2時間前に食事をすることは避けたい習慣のひとつです。
体が消化することにエネルギーを使ってしまって、睡眠の質が下がってしまいます。
もし、帰宅が遅くなってしまったときには、消化に良い、カロリーが低い食べ物をとるようにしましょう。
住環境(寝室)
安眠できる寝室には「光」、「音」、「温度」のコントロールが重要です。
就寝前に明るい光を浴びてしまうと、脳がまだ昼間だと勘違いして睡眠ホルモンのメラトニンが抑制されてしまいます。
そのため、寝室の照明は蛍光灯のようなまぶしい光を発する照明は避けて、間接照明やスタンドライトなど直接光が目に入ってこない優しい電球色の照明を使用するのが良いでしょう。
音に関しても、外の音が聞こえる状況では気になるし、ストレスにもなって質の高い睡眠を妨げます。
住居を選ぶときには音が響きにくい、遮音性の高いつくりの住居を選ぶことをおすすめします。
窓際にベッドを置くと外気温の影響を受けやすく、暑さ、寒さで眠りが妨げられることもあります。
夏は約25℃~26℃、冬は約22℃~23℃、湿度については50%~60%に調整したいですね。
ぐっすり眠るための生活習慣
次の日が休みであっても、毎日同じ時間に起きることをおすすめします。
毎日同じ時間に寝て、起きる習慣を身につけることで、体内で睡眠周期をコントロールされて、自然に起こしてくれるような体内目覚まし時計が作られます。
運動・エクササイズ
テンポのあるリズム運動はセロトニンの分泌を促すことが知られています。
例えば、ガムをかむ、ダンスを踊る、ウオーキング、水泳などがリズム運動です。
朝のウォーキングをすれば、朝日を浴びてセロトニンの分泌も促されるので効果的です。
寝る直前の激しい運動は逆効果です。交感神経を刺激してしまいます。
夜には軽いストレッチやヨガ、瞑想などがおすすめです。
睡眠の質を高めるおすすめアイテム
エッセンシャルオイル
エッセンシャルオイルの香りは、嗅ぐことで鎮静効果が得られます。不安を鎮め、血圧を下げ、溜まったストレスを解消してくれる作用があります。
睡眠前に使いたいエッセンシャルオイルを以下に紹介します。
セダーウッド –松果体の働きを助けます。松果体は、快眠を促すホルモンであるメラトニンを分泌します。
ラベンダー – 最も人気のあるエッセンシャルオイルの一つで、鎮静効果があることで有名です。
フランキンセンス – 快眠を促すだけでなく、感情のバランスを整える、気持ちを落ち着かせる、あるいはヒーリングに対する体の反応を助けるなど、さまざまな効果があります。
やってはいけないこと
寝る前の刺激物は安眠を妨げてしまいます。
寝る前のカフェイン、タバコなどは避けましょう。
寝る前にやってはいけないことは他にもあるので、主なものを以下ににあります。
寝る前のスマホ
睡眠ホルモン「メラトニン」はパソコンやスマホのブルーライトで減少してしまいます。
メールやSNSも内容によっては気分が乱され、体にストレスを与えてしまうでしょう。
テレビもできるだけ避けたいですね。
部屋の照明を少し暗くして、自然音やリラックス系の音楽を流すのがおすすめです。
シャワーだけの入浴
湯船につかるのをおすすめします。熱めのお風呂は興奮作用があるといわれているので、ぬるめのお風呂に長い時間つかるといいです。
まとめ
今のコロナウイルスの感染が広がっていく状況で、免疫力を下げてしまうことは致命的です。
寝る前にスマホを見てしまうなどは習慣になってしまい、止めるのは難しいですが、体のことを考えて少しずつでも習慣を変えて、質の良い睡眠をとれるようにしたいですね。
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